悲しみを乗り越える
看護師へ
遺族に対して行う精神的支援を「グリーフケア」と呼びます。患者が亡くなった際に看護師はグリーフケアを優先して行いますが、その分自身のケアを疎かにしがちです。「仕事なのだから泣いてはいけない」「遺族のほうが悲しいのだから我慢すべき」と、自分の感情をおさえてしまうのです。しかし、自身の悲嘆を抑圧しすぎると、無気力や無感情、不眠などの症状が出てきます。
仕事上で発生する悲嘆を「プロフェッショナル・グリーフ」と呼びますが、最近はプロフェッショナル・グリーフを受けやすい職業に対するケアが重要視されています。看護師が患者の死に向き合う機会は一度だけではありません。配属される科によっては毎日のように患者との別れを経験するかもしれません。そのたびに我慢し、感情を隠し続けていればいずれ限界がきます。そうならないためには、「悲しい気持ちを無理に隠さず、ちゃんと悲しむ」ことです。悲しみを直視せずに無理やり自分を鼓舞するのではなく、素直に受け入れることで心の負担は減ります。以下に、グリーフケアについて書かれている書籍を紹介しますので、看護師の方は参考にしてください。
- 悲嘆とグリーフケア
- 遺族に対してだけではなく、自身に対するグリーフケアにも役立つ一冊です。
介護職へ
看護師と同様、介護職も「悲しい気持ちを表に出す」ことを大切にしてください。利用者とは近い距離で接していきます。それゆえ、亡くなったときの悲しみや喪失感は大きいです。もやもやした感情をそのままにしておかず、表に出すことで解消しましょう。介護職は我慢強い人が多いですが、そういった人ほど自分だけで抱え込んでしまう傾向があります。同業者じゃなくても構いませんので、話を聞いてくれる相手を見つけましょう。
長い時間を共に過ごしてきた利用者が亡くなるのですから、悲しい気持ちになるのは当然です。他人とは言え、大切な存在であることに変わりありません。遺族が悲しみから立ち直るのに時間がかかるのと同様、介護職にも時間は必要です。回復するのには必ず時間がかかるものだという点を理解しておきましょう。
どうしてもつらいなら
どうしても今の職場がつらくて続けられない人もいるでしょう。でも、看護師や介護の仕事は続けたい場合、選択肢となるのが転職です。今の職場で無理をしながら働き続けるのは危険です。転職するのは何も悪いことではありません。ただし、転職にはコツがあります。特に重要なポイントとなるのが情報収集です。より多くの情報を集めたほうが有利に転職を進められるので、これから転職する人は必ず「転職エージェント」を活用してください。