女性のほうが寿命が長い
男女どちらも長寿だが
日本における2018年時点の平均寿命は、男性が81.25歳で前年より0.16歳増、女性が87.32歳で前年より0.05歳増です。これは過去最長であり、老衰によって生涯の幕を閉じる人が増えている傾向にあるようです。厚生労働省が発表した簡易生命表から明らかになった数字ですが、この簡易生命表とは1年間の死亡状況が今後とも変わらないと仮定して、「各年齢の人が1年以内に死亡する確率」や「平均するとあと何年生きられるかという期待値」などから各指標を出したものです。国の医療費に最も大きな影響を及ぼすのが「年齢」です。そのため、簡易生命表は保険制度や医療の提供体制などを定めていくうえで重要な資料となります。
また、日本人男性の平均寿命の長さは世界3位ですが、女性の平均寿命の長さはそれを上回り世界2位です。男女どちらとも長寿ですが、特に女性のほうが長生きする傾向のようです。
日本だけではない
「子宮がん」や「乳がん」など女性特有の病気があったり、体力面を考えると男性のほうが寿命は長そうなイメージがありますが、女性のほうが長生きなのはなぜでしょうか。男性と女性では平均寿命に6歳も差があります。
実は、女性のほうが長生きなのは日本に限ったことではありません。世界保健機構(WHO)が発表した統計データによると、各国の平均寿命や年齢差にはバラつきがあるものの、どの国も平均寿命は女性のほうが長いのです。ロシアを例にすると、男性は平均寿命が66.4歳なのに対して女性は77.2歳で、なんと10歳以上の差があります。また、この傾向は最近になって始まったことではなく、100年以上前からすでに女性のほうが長寿だったことが分かっています。
平均寿命についてわかりやすく紹介しているサイトを以下に紹介しますので参考にしてください。
- 平均寿命の推移や世界との比較
- こちらでは日本の平均寿命の推移をグラフで説明すると共に、他国と日本の比較を表で分かりやすく紹介しています。
かかりやすい病気が違う
男女でかかりやすい病気が異なります。女性のほうが長寿ですが、男性と比べてすべての病気にかかりにくいというわけではありません。例えば、男性がなりやすい病気に「痛風」、女性がかかりやすい病気に「骨粗しょう症」があります。ただ、死因として多い「がん」「心疾患」「肺炎」はいずれも男性のほうが多く、これらの病気になりにくいことが女性の平均寿命が長い一因になっているかもしれません。
女性がなりやすい病気として、他には「アルツハイマー」や「関節症」があります。これらは高齢になってから発症することが多く、自立して生活できる健康期間が長いので、これも平均寿命の長さにつながっています。また、「膀胱炎」「甲状腺炎」「カンジダ症」なども女性がかかりやすい病気として挙げられます。