最近のお葬式事情
お葬式が変化している
お葬式は通夜と葬儀・告別式に分けて行われますが、最近はこの流れに変化があるようです。原因として、現代人の宗教観や死生観の変化、高齢化、経済的理由などが挙げられます。
葬儀は亡くなった方の家族など近しい人間が行うもので、故人の冥福を祈るために行われます。それに対し告別式は一般の知人などが参列して故人の冥福を祈るものです。この2つを区分せずにまとめて行うのが「一般葬」です。大きなホールなどで行われることが多いです。逆に、近しい人のみで行う「密葬」もあります。密葬の場合は、別日に告別式が設けられます。
家族葬
都市部では「家族葬」が増えています。これは、告別式を別日に設けないで、限られた人数だけで通夜・葬儀を行うパターンです。2親等までの身内のみ、親戚も含める、友人も含めるなどパターンはそれぞれです。家族葬は自由度が高く故人や遺族の意思を尊重したお葬式ができるため、人気を集めています。生前交流の広い人だった場合、後日に遺族や知人が「お別れ会」を開くケースもあります。家族葬が増えた要因としては、社会の高齢化によって喪主も高齢であることが増え、社会との付き合いが以前よりも薄くなっていることが考えられます。
一日葬
通夜をなくし葬儀・告別式などを一気に済ませてしまう「一日葬」も徐々に増えています。すでに初七日の法要をすぐに行う「繰り上げ初七日」は一般的ですが、一日葬の場合は告別式中、火葬の前に初七日の読経を上げる「式中初七日」を行います。より早くお葬式が終わる点がメリットです。
無宗教葬
宗教観の変化によって増えているのが「無宗教葬」、別名「自由葬」です。特に都市部で増加傾向にあるようです。形式は自由なので、例えば読経ではなく音楽の生演奏を行ったり、焼香ではなく献花を行うなど、その内容は様々です。そのため、葬儀社側にはオリジナリティやセンスが求められます。ただし、戒名がないことを理由に納骨を断られる場合もあるので、無宗教葬を選択する場合は注意が必要です。また、親族から反対にあうケースもあるようです。その場合は、通夜のみを仏式にしてそれ以外を無宗教で行うパターンが多いです。
直葬
故人の遺体を直接火葬場に運び、通夜・葬儀などを行わずそのまま火葬を行う「直葬」は、関東圏では全体の2割ほど、地方でも1割ほど行われています。直葬を望む理由として最も多いのは経済的な理由です。ただし、小さい規模のお葬式や通夜を行って翌日に火葬する「通夜葬」に変更するケースも多いようです。