看取りが行われている施設
特別養護老人ホーム
数ある介護施設のなかでも特別養護老人ホームは入居費用が安く、入居待ちが出るほどの施設もあります。また、入居者の終の棲家としての役割を持ち、看取りに対応している施設も多いです。看取りを行っている特別養護老人ホームの条件は、「常勤の看護師の配置が手厚いこと」「医療機関との連携体制が十分であること」などが該当します。これらの条件がそろっている施設では、職員の働きやすさにも差が出ます。特別養護老人ホームには医師が常駐していないことがほとんどなので、介護施設で医療体制が整っていると万が一の場合もスムーズに対応できるからです。
特別養護老人ホームでは、主に「精神的ケア」「身体的ケア」「家族に対するケア」の3つの看取りケアが行われています。死への恐怖や不安を可能な限り緩和できるように声掛けや傾聴、スキンシップなどを徹底し、利用者をサポートします。また、残された家族に対してもケアを行い、不安をできるだけ取り除けるように努めます。
グループホーム
グループホームも、看取りを行っている施設の一つです。以前は看取りを行っていないグループホームが多く、看取りなどの医療的ケアが必要になった場合は医療機関へ入院することが一般的でした。しかし、高齢化の進行によって介護のニーズが高まったことや、入院ではなく施設での看取りを希望する利用者と家族が増えたことなどをきっかけに、グループホームでも看取りを行うケースが増えてきました。
グループホームは、以前から家庭的な雰囲気を大切にしている小規模体制の施設です。「共同生活」をコンセプトとし、職員と利用者が顔なじみの関係性を築いています。そのため、看取りの際も一人ひとりに心から寄り添うケアを提供しやすいことが魅力です。
介護医療院
介護医療院は、2018年に創設された比較的新しい種類の施設です。要介護の診断を受けた利用者は長期入所が可能な特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームを選択することが一般的でしたが、医療依存度も高い利用者の場合は入居条件に該当しないこともありました。このような、要介護および医療依存度も高い利用者が長期療養するための機能を持っているのが介護医療院です。日常生活上の介護と医療的ケアを同じ場所で提供できる施設であり、看取りにも対応しています。もちろん医師が常駐しているため医療体制が手厚く、看護師も利用者6名に対して1名の配置が基準のため安心して看取りが行えます。